私たちはイタリアの中でも比較的主要な都市の一つに暮らしています。そもそも大陸続きで他のヨーロッパ諸国との行き来が非常に簡単ということもあってか、色々な国籍の方々が住んでいます。そして、何ヶ国語も堪能に話せる方も多くいらっしゃいます。私の友だちはアルメニア出身ですが、5ヶ国語を操っています。
我が家の場合はというと・・・残念ながら、子供たちの日本語は堪能というレベルではありません。上の子が幼児だった時は日本語教育に関して随分と悩んだ時期もありましたし、あの時に日本語に力を入れていた方がよかったのか、それとも今の方針でよかったのかハッキリしたことはいまだに分かりません。
ただ一つ、家族の間で一番大事にしていることは何でも話すこと。相手に伝えようと努力すること。
私たち夫婦が出会ったのがそもそもお互いの国ではなく、第三国だったというのもありますが、言語は相手とコミュニケーションを図るためのツール。母国語で会話をしても意思の疎通を図るのが難しい相手や状況もありますよね。昔、語学学校の先生がおっしゃっていましたが、時代によって言語は変化し続ける生き物のようなものなので、正しい文法を学ぶことは大事だけど、言いたい事が伝わらなければ意味がないんだという事をいつも子供たちに説明しています。
そんなこんなで、子供たちと父親の間はイタリア語。上の子と私は日本語とイタリア語メインで英語補足(重要な話や叱る時は英語メイン)。下の子とはイタリア語メインで私が日本語でも返事は全てイタリア語。夫婦間はイタリア語と英語という、とても忙しい言語環境です。それでもこれが私たちのカタチ。子供たちと関わる中で、日本語も彼らの一部なんだと思って育ってくれたら嬉しいです。